June 18, 2015

管理栄養士のお仕事

ある project に関わらせてもらえるかもしれない、とのことで、先週、その project leader の方にお会いしました。

彼女も10数年前に管理栄養士学科を卒業し、現在は研究者として活躍しています。
大学では、clinical に働く管理栄養士の方々の話しか聞く機会がなく、こうして違った分野で働く方に会えたのは初めて。彼女の観点はどこか私のものと似ているトコがあって、すごくタメになったし、視野が開けたし、とても面白かった。


「大学で栄養学の勉強をしている」と言うと、毎回のように、どんな仕事なの?という反応が返ってきます。
給食の献立を考えるの?
調理をするの?
などなど。
なので、この機に、スウェーデンにおける dietitian がどんな職業なのか、宣伝を兼ねて大まかにご紹介したいと思います。


スウェーデンでは、Uppsalaを始め、Umeå と Göteborg の大学に管理栄養士学科 Dietistprogram があり、3年間の学業を終えると卒業とともに Dietist (英:Registered Dietitian) の資格がもらえます。
卒業後は、病院や地域の診療所に就職する人が大半。病院勤務になると、アレルギーや肥満の問題を抱える患者さんから、癌や人工透析の治療を受けている患者さんまで、幅広い部門での食事治療を担当。診療所勤務になると、病院にくる手前の患者さんの対応になります。
Clinic 以外だと、その数は減りますが、医薬品会社や食品会社で活躍している dietitian もいます。

もちろん、例えば私のバイト先のように、病院や高年齢者ホームに料理を配送するような会社に勤務する dietitian は、患者さんに合った献立を考えたり調理をすることもあります。
が、そのような職務は、どちらかというと、栄養士 Kostvetare (英:Administrative Dietian) の担当になります。
Kostvetare は、私が最初に入った学科で、dietist 学生も kostvetare 学生も、在学中は数回同じ科目を専攻しますが、上級生になるにつれて dietist 学生は医療方向に、kostvetare 学生は食品/経営方向に分かれていくわけです。

Stockholm大学(Karolinska大学)には、Nutritionist という、また別の学科がありますが、この学科はもっと細胞・分子単位で栄養が人体に与える影響を学びます。

ちなみに、この3グループの中では dietitian のみが有資格専門職。なので、栄養学を勉強したからといって資格がなければ、「Dietitian」とは言えません。
それを知らずに「私は dietitian です」と書いている blog などがあるので、ご注意ください。



さて、最初の内容に戻りますが、スウェーデンの dietitian 学生は、大学卒業後、ほぼ全員が就職を選びます。院に進む学生は稀。
私がお話した研究者さんは、それを「目前のことしか見れていない」と残念がっていました。モチベーションの問題にもなりますが、将来を見据えて考えたら、最低修士号は取らないと、知識のレベルも上がらないし、世界では通用できない、と。
ふむ。
勉強疲れの私。
今の心情は、「勉強=No, thank you」なのですが…
彼女のこの言葉、やっぱり心に引っ掛かっています。

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